編集ノオト
若林岩雄

年報3わらじ 編集後記より

ようやく、1979年度会活動報告(年報)を発行できそうだ。この年報は、従来の当会の「年報」とは全く性格を異にしている。いままでの年報(1、2)は、地域研究の成果の発表の場として位置づけられていた。対して、この年報は読んで字のごとく一年間の会活動の内部的な記録であり、編集方針もそれに限定している。しかしながら、年報をこのような年度報告形式にすることは、当会の総意を得たものではない。今回はいわば試作である。理由は費用、労力、内容等、種々あげられるが、基本は月報との関係である。月報に日常的な会活動のための情報誌的な役割りとともに、山行記録等の蓄積の媒体としての機能を要求しつづけるのであれば、年度報告としての「年報」の存在意義は少ない。結局は、費用負担の問題も含めて会員一人一入に選択してもらうことになる。
今回の年報では、会レベル、個人レベルで特定の山城に対し執着の度合が強い山行は、山行の時日に関係なく一括し特集扱いとした。できれば春の集中(1000回記念山行)についても特集としたかったが、原稿がほとんどなく残念ながら今回は見合せた。記録を寄せてくれた人には編集の不手際をお詫びします。
年報の編集作業上問題になったことは、原稿の様式の不統一である。このことは、割付け等をほとんど不可能にした。しかし、これはあらかじめ様式を統一して原稿依頼をしなかった編集担当者の基本的なミスである。活字の大きさ、図版の位置、体裁の画一性、等の不満は御容赦を願うしかない。なお、原稿段階でのチェックは後藤さんにお願いした。図版のトレースは寺沢さんと伊藤さんにお願いした。カットは渡辺君に、表紙の題字は中野さんにお願いした。また、多くの方に協力いただいた。あらためて感謝したい。
この年報が、山の話しを肴に、酒をおいしく飲むための一助となれば幸いだと思う。(追記 表紙の「わらじ」は年報1の表紙から借用しました。)

 

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