2007年秋の集中 南会津・丸山岳
南会津・白戸川メルガ股沢〜丸山岳〜大幽東ノ沢下降

2007年9月22日〜 24日
渕上麻衣子・岩永晶子・岩崎正樹・松倉淳
記録=渕上麻衣子

9月22日

 集中の朝、田子倉湖の船着場まで熊倉さんとゆきに送ってもらい舟へと乗り込んだ。田子倉湖を渡るのは何年ぶりだろう。冷たい風を体に感じながら心地よい緊張感を味わう。
 舟を下りるとまずは右岸に付けられた道を辿っていくが、抱返りのゴルジュを過ぎた辺りで道が怪しくなってきたので沢へと降り立つことにした。白戸川の穏やかで豊かな流れに立つと、それだけでなんだか嬉しい気持ちで満たされてくる。のんびり歩きたいところだが、白戸川はとにかく長い。集中の成功を目指して今回は頑張って歩かなくちゃね。係の岩永の気合と緊張感がひしひしと伝わってきて、周囲を楽しみながらも足の回転だけはエンジン全開だ。一定のリズムに乗ってみんないいペースで歩いている。
 宿ノ沢を過ぎると森が一段と沢に近くなってきて、森に包まれる心地よさを存分に味わう。その先、上五沢を確認し、そして洗戸沢が豊かな流れで合わさってきた。今日は中ノ沢の出合あたりまでは行きたいところだ。下ノ沢の出合の良さそうな台地には先行パーティがすでに幕を張っているため中ノ沢の出合に適地があることを願いながら目指す。着いた出合の少し先にツェルトがなんとか二つ張れそうな段丘があったが、河原が狭かったため石を敷きつめ土木工事を行い快適な場所を作った。
それにしても今日はよく歩いたと思う。地図を見てもそう思うし、幕場の前を流れる沢の幅を見ても実感する。明日も山頂目指してがんばりましょう。

写真:水量豊富な白戸川を行く


9月23日

 出発してしばらく行くと袖沢乗越への分岐に着くが、そこを通っていたらあるはずの野上さんの赤布が付けられていない。心配になるがどうしようもないので、わたしたちの赤布をつけて先へ進む。途中で二人パーティに出会ったため色々たずねてみると、野上さんらしき人に会ったことが確認できたのでひとまずは安心した。そして、その先で休憩していると、今朝袖沢林道から出発してきた大津さんとのりちゃんが追い付いてきた。淳さんは急遽来られなくなったとのこと。それにしても仲間の元気な顔の登場は本当に嬉しいし、新たなパワーが沸いてくる。そこから先は少しずつ傾斜も出てきて、いくつかの滝が出てくる。白戸川の勝手なイメージとして滝はないと思っていたのだけどそう甘くはないよね。上部の二俣を過ぎて水がだいぶ枯れてきたあたりで休んでいると、トマの風の三人パーティが下降してきた。その中の一人は何年か前に只見でお会いしたりかさんで嬉しい再会だった。頂上には30人くらい人がいたということで驚きである。トマの方たちに別れを告げ、その後は大津さんとのりちゃんに先頭を譲るとあっという間に引き離されたので我々はマイペースで登っていく。
 次第に藪がぼさぼさと覆いかぶさってくるが、なるべく沢を忠実に詰め、あとは踏み跡らしきものがあったためそれを辿った。それがなくなり傾斜が緩くなった笹藪をしばらく漕ぐと丸山岳へと続く稜線へと抜けることができた。そこからも踏み跡の上に覆いかぶさった藪をかき分け山頂へ向かった。平らな山頂で4人で握手を交わしたあと、一足先に着いたのりちゃんパーティ、徹さんパーティと合流し、お互いの無事を喜びあった。

9月24日

 岩永と岩崎が先週付けた赤布に導かれ、藪こぎなしの唯一のルートから須田パーティの待つ集中地「窪ノ沢出合」を目指して下降する。見上げると澄んだ秋の青空がとても気持ちよく広がっている。途中、巻きにはしっかりとしたふみ跡がついているが、先週岩永と
岩崎が偵察にきたときにはなかったということなので、今週末に入った人数を考えると(自分たちも含め)自然に対して申し訳なくなってくる。黙々と下降を続け、須田パーティとも合流し、みんなの満ち足りた笑顔がそこに集結した。うれしい瞬間だ。
 集中初めてのいもこは相変わらず元気いっぱいな様子。また一段と成長したようでこちらも嬉しくなってくる。集中ってやっぱりいいものだよね。集中の醍醐味を味わった後、ここから林道までが長かった。
 50周年に相応しい充実した秋の集中だったと思う。集中地でのみんなの写真の顔はとってもいい顔してました。個人的にも思い入れのある南会津でしかも白戸川から丸山岳に立てたことは大きな喜び。係の岩永をはじめ、みんなお疲れさまでした。そして、ありがとう。

写真:丸山岳の草原で


007年秋の集中 南会津・丸山岳
南会津・南会津・袖沢〜袖沢乗越〜白戸川メルガ股沢〜丸山岳

2007年9月23日〜 24日
矢本典子・大津政雄
記録=矢本典子

9月22日

 小出駅から予約してあったタクシーに乗ってシルバーラインを行く。奥只見湖の駐車場に着くが、ゲートがどこにあるのかよく分からず、仮眠場所はどこにしようかとタクシーの運転手さんと一緒にあっちこっちと真っ暗な中探した。結局ゲートはよくわからなかったが、快適な仮眠場所を見つけ眠りについた。

9月23日

 5時に起床し、朝食をとって袖沢林道のゲートを探す。21日から北沢〜メルガ股沢に入っている野上さんの車も探すが見当たらなかった。丸山スキー場の下の方の駐車場の一段下にあるゲートを大津さんが見つけてくれ、乗り越えて袖沢林道に入った。南沢の出合を過ぎてそろそろ仕入沢出合というところで袖沢に下りる踏み跡がしっかりついていた。ハーネスをつけ、仕入沢を遡行していく。
特に滝もなく1時間ほど行くとロープの垂れた5mの滝、その上にさらに5mの滝があり、その左岸に赤布とフィックスロープがあった。それに導かれて右の尾根に上がっていくと、しっかりとした踏み跡が袖沢乗越へと続いていた。乗越から下るとすぐに沢型になり、しばし下ると白戸川との出合の5m滝の上部に出た。藪を伝わって降りると、1時間ほど前に通過したメルガ股沢パーティの赤布があった。三角点沢の少し上の右岸の快適そうな幕場に二人の釣師さんがテントを張っていた。瀧島さんによく似た方が、メルガ股沢パーティと野上さんの情報を親切に教えてくれた。しばらくすると休憩中のメルガ股沢パーティを発見、最初の集中である。
 その先の左の枝沢に釣りに入る大津さんについて行く。落ち込みに竿を出すといきなり岩魚がかかった。さすがだ。釣れた岩魚を私が処理している間に大津さんはどんどん先に釣りながら進んで行ったが、浅くなりすぎてもう無理ということで戻ってきた。30分ほど楽しんだあと本流に戻りメルガ股沢パーティを追いかけると、5mほどの滝を登っていた。上の二俣は右の丸太のかかっている7mの滝、さらに進んで行くと快適に登れる20mのナメ滝が続いた。しばらく行くとトマの風の三人が下降してきた。東ノ沢にはガイドパーティもいて30人ほど、西ノ沢は4パーティほど入っているとのことである。今年のゴールデンウィークでもお会いした鈴蘭山の会の3人パーティも下降してきた。本当にこの3連休の丸山岳は人気者だ。
 沢をつめると赤布がありそこからササ藪に突入し、ササ藪の稜線のわずかな踏み跡をたどって進んで行くといきなり藪が切れ草原が現れた。ちょうど15時の交信となったので無線機を出していると、山頂の草原に人が見え、交信してみると西ノ沢パーティの徹さんだった。メルガ股沢パーティも到着し、3パーティが合流した。

9月24日

 東ノ沢ヨシノ沢の下降に入る。この下降は係の岩永さんが下見をしていてくれたため藪こぎなく沢に入ることができた。この沢は二俣までメルガ股沢同様ツルツル滑り、ちょこちょここけながら下降した。みんなばらばらと下って行くと窪ノ沢出合で東ノ沢パーティがたき火をして待っていてくれ、無事全員集中した。お茶、ぜんざい、果物の缶詰とたくさんのおもてなしをしていただいてしばし寛ぐ。写真撮影後、みんな揃ってわいわいがやがやと下降した。多くのパーティが入っていたようだが、少々遅れての下降となったおかげで、東ノ沢ではだれとも会うことがなかった。
 今回は二日しか参加できないということで丸山岳の山頂はなしでもいいかなと思っていたが、係の配慮により越後三山、守門、浅草、会津朝日、飯豊などなど見渡せる素晴らしい展望の山頂を踏むことができました。同行の大津さん、係の岩永さんありがとうございました。

写真:黒谷川大幽東ノ沢を下る


 

〈コースタイム〉
9月23日 奥只見湖5:50 〜仕入沢出合7:00 〜袖沢乗越8:15 〜白戸川メルガ股沢8:35 〜幕場15:20
9月24日 幕場6:30 〜大幽東ノ沢ヨシノ沢右俣下降〜窪ノ沢出合(集中)10:20 〜黒谷川林道14:20